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ザ☆ウルトラマン

5月からCS、ファミリー劇場でON AIRされている『ザ・ウルトラマン』。
なんとなく観てます。

作画的な弱さが指摘される本作ではあるけど、当時の記憶では前半の作画はそんなに悪くなかったような記憶があるので、それを確かめたかったのがその理由。
どの放映リストを見ても作画的なデータがないので誰が作画していたのかもわからなかったし。
私が知っている限りでは初期の何話かは二宮さんと須田さんが参加しているという事ぐらい。
そんなこんなで、一度も再放送されなかった事もあって、かれこれ三十年ぶりの視聴となる。
ちなみに第一話は、当時風邪を引いて寝込んでいたため、見ていない。
今回が初、である。
雑誌やムック本などでしか知らない第一話をようやく見れる事態に胸が高鳴る。

第一話のオープニングをを見て「えっ」と驚いた。
とにかく発色が悪い。
私の記憶の中にある、ワクワクするぐらい青と緑がきれいだった宇宙空がなんだか赤みがかってくすんだ紫色に見えちゃって‥‥がっかり。
フィルムの劣化によるものと思われる。
DVD-BOXも発売されている事だし、意外ときれいな画質で見れるのでは?なんて勝手な期待をした私が悪かったのだね、きっと。
あと、何の都合か知りたくもないけど、毎度の事ながら残像処理。
それがご丁寧にも全編に渡って施されてしまっているのには閉口。というか意味が分からない。

初めて見た第一話は世界観の広がりも感じていい感じ。
二宮作画がシャープに冴える。
ウルトラマンと怪獣の格闘シーンが見せ場にかけるのが残念と言えば残念、か。
当時の演出の限界かもしれぬ。
この辺が酷評を浴びた原因かもね。
シナリオは悪くない。

当時の美麗なオープニングはもはや幻か、と思えた第十話。
この回からのオープニングが突如、びっくりするぐらいに発色が良くなる。
そんな事は予想もしていなかったから本当に驚いた。
思わずテレビに向かって「これだよこれ!」なんて叫んでしまったり(思わず正座しました)。
同じ回のエンディングの1カット目の背景色も替わっていたから、再撮影したのだろうか?
ひょっとしたらそれまでのオープニングは16mmだったのかも。
だとしたら発色の違いも納得‥‥真相はわからん。

オープニングに関して三十年越しで気がついた事が一つ。
オープニングの作画は(どー考えても二宮さんの手によるものと思われる。演出は誰だろう?)なんと、全カット一コマ打ちのフルアニメであった。
どうりで宇宙を飛びながら体をひねるジョーニアスや、手前に走って来る科学警備隊員の走りが滑らかに見えたわけだ。
なるほどねー。
なんで気がつかなかったの理由もわかった。
とにかく動画(中割り)がひどすぎるのだ。
一コーラスの最後のカット、銃を構えたヒカリにカメラが寄っていくカットなどが顕著な例。
ちゃんと中割りできていないから、ガクガクしちゃって一コマ打ちが三コマ打ちに見えてしまうという珍妙な現象を起こしてしまっている。
シルエットになったスーパーマードックの奥を行く、二機のバーディの残す飛行機雲(?)の動画もガッタガタ。

余談ではあるが、この後、打ち出した銃弾がスーパーマードックの発射口につながる演出は白眉。
個人的には一番のお気に入りのカットである。

オープニングからしてこのていたらくであるから、本編の動画に至っては想像を絶する動画が連発。
原画が達者だから何とか見れる形になっているものの、本当に原画と原画の間に絵を入れただけの動画だけ。
当時の動画のレベルはこんなものであったのだろうか?

私自身の主観ではあるが、日本の動画のレベルが一番高かったのは80年代中盤から90年代にかけて、だと思っている。
会社限定で考えると単純にそうとは言い切れないのだろうけど、アニメ界全体で考えればそんな感じじゃないかな?
単に私がその頃動画に関わっていたから、というひいき目もあるかも。
でも、確かにこの時期までは「巧い動画マン」てのが存在したのは確か、なのだ。
何しろ私は「日本一巧い動画マン」を知っているからね。

ちゃんとした作画データが残っていない理由もエンディングを見てわかった。
作監も原画も動画も「作画」という肩書きでまとめられてしまっているから、そりゃあわからないわな。
「作画」の一番上に書かれている人がたぶん作監‥‥ひょっとしたら一人原画と思われる。

ところで、駅間我子って湖川さんだよね。
横顔の描き方なんてメーテルみたいだし。
この人、ホントに変名が多い。
お人柄なんでしょうか?
まだ漢字表記のなかむらたかしも参加しているのにも驚いた。
ここまで来るともう、サンライズというよりタツノコ作品と言ってもいいぐらいの布陣。
チーフディレクターから始まって、キャラデザインもメカデザインも美術も全部タツノコ畑だし。

さて。
心配していた作画のレベルであるが、第十五話まで放送された現在、さほどの崩れもなく、いい意味で安定。
私の記憶だと前半のクライマックスである『これがウルトラの星だ!!』三部作までは安心してみられていたはずだ。
…いや、三部作の三話目は今ひとつだったような…
これもON AIRで確認したい。
とにかく、この直後からまるでエアポケットに入ったかのように作画の質が落ちた憶えがある。
だとすると、私の視聴はそこで止まってしまうかも。
ウウ、むむ、へへへ。

3クール以降は作画は微妙ながらもウルトリア登場以降、とくに最終四部作は面白く見れた記憶が。
でもウルトリアが出てきた回の記憶は薄い。
気がついたらもう出ていた、という印象。
見ていないのかも。

ああ、大事な事を書き忘れていた。
この作品、音楽が問答無用で、いい。
宮内國朗、冬木透、両氏による劇伴がなんと言っても素晴らしい。
聴いているだけでワクワクしてくる劇伴てのも珍しい(かなり主観はいってマス)。
いつかこんな音楽をバックに出来る作品に巡り会いたいなぁ。
つーか、こんな作品、やりてぇなぁ。
ホント、やりたいやりたい。

あと、なんと言ってもオープニングがいい。
シンプルな構成、歌詞、メロディーであるが、それ故の覚えやすさと親しみやすさ、その上でのええと‥‥なんて言っていいかわからないからプラスαと言っておこう‥‥がある逸品。
やはりシンプルかつ印象に残る演出と相まって、何度見ても飽きない完璧なオープニングだと言える。
大好きだ。

by mtfeather | 2009-08-16 23:59 | 映画・TV・DVD  

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