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生まれたところを遠く離れて

iTunesで『生まれたところを遠く離れて』を聴く。
このアルバムが発売されたのは1976年のことだけど、私が最初に買ったのは1984年。
私が上京した年のことだったと思う。
まだCDなんか無くって(あったかもしれないけど一般的ではなかった)アナログレコードの時代だ。

私が最初に買った浜田省吾のアルバムは『Sand Castle』であった。
前年12月に出たこのアルバムは、友達にテープにダビングしてもらっていたのをいたく気に入っていて、上京早々に購入。
上京していろんな意味で自由になった勢いで、それまで手にすることができなかったアルバムを買いあさった。
私の傾向として、それは仕事だろうが遊びだろうが分け隔てなく、気に入ったものはそのルーツをたどりたくなるという性癖があるようで。
この時もその例に漏れること無く「ファーストアルバムから聴きたい」と思ったはずで(何しろ20年以上前のことゆえ、記憶が曖昧。あやふやな言い回しに関してはご勘弁)、ラジオで聴いたのか、それとも友達に聴かせてもらったのか忘れてしまったけれど『路地裏の少年』をまず聴きたかった、ってのも「まずファーストアルバムから購入」の大きな理由の一つ、だ。
後から分かるのだけど、この判断は結果として間違ってなかったなぁ。
てゆーか、大正解。
「月に二枚ずつ(浜田省吾のものを一枚、他のアーティストのものを一枚)」と決めて、給料が入るたびにレコードショップに向かったものである。
この年の10月には最新アルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』(名曲『MONEY』はここにあり!)が発売され、その頃には発売済みのアルバムは全て揃えていたような気がする。
ちょっと話がずれた。

で、『生まれたところを遠く離れて』で、ある。
浜田省吾がソロになって最初のアルバム、彼が鬱積していたものを一気に放出したこのアルバムは、上京したての私には実に刺激的であった。
荒削りで少々古くさく、中には「あれぇ?」と思ってしまうような曲もあったが、でもそこには剥き出しの言葉とサウンドがあった。
だから、駆け出しもいいとこで、何もかもにどん欲で、何もかもにギラついていた18歳から19歳に移るその当時の私の感性と見事にシンクロ。
「若さ」って時代が変わっても本質が変わるもんじゃない。
すぐに全ての曲が好きになっていた。

ああ、思い出した。
当時、このアルバムと一緒に買ったのは『LOVE TRAIN』だ。
……『LOVE TRAIN』
いい曲もあるんだけどなぁ…

あと、あれだ。
この頃のアルバムを聴いていてつくづく思うのは、A面、B面の概念の喪失は、アナログレコードからCDに移り変わったときに無くした一番大事なものなんじゃないか、な。

このCDの購入時にも書いたけど、とくにお気に入りは『壁に向かって』。
ことさら剥き身のイライラ感がすごくいい。
大好きだ。

by mtfeather | 2011-01-05 05:03 | Mac・iTunes  

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